しかし翌朝になって、彼を探すのが難しそうなことに気が付いた。彼を見送ってすぐに眠りについたのだが、このことは出来事の異常さを考えると奇妙に思える。しかし、当時は全く普通に思えた。その男にどこか不自然なところは少しもなかった。

起きてすぐに、とても奇妙な体験をしたことがわかったが、何が起こったのか自信がなかった。もっとも、出発の準備が整うまでは、私は会話したことをはっきりと覚えていたのだが。少しばかりのメモ書きがあったが、少なくとも当初は解読不能だったので、私は最初に考えた。私は妻のアンに電話をして、その男が現実の人のように見えたことをあとで否定しないように頼んだ。これまで長い間、異常な体験をしてきたので、遅かれ早かれ自分が今回の出来事を否定するだろうことは分かっていた。

その日の朝、著書の広報担当が今回で最後だとわかったので、その男について話してみた。彼女はその男が何者か、さっぱりわからなかった。彼女の事務所の何人が私の宿泊場所を知っているのか尋ねたが、彼女は知らなかった。そのような情報を秘密にする理由はなかった。作家は迷惑なファンを引きつけるタイプの有名人ではない。実際、たいていの作家は1人でもファンをひきつけたがるが、私も例外ではなかった。

それで誰か私のいるホテルを知っている人がいたかもしれないが、その場合は受付で部屋番号を聞かないといけないだろう。事実、彼女自身が部屋番号を知らなかった。

誰も私を訪ねて来た人のいないことは分かっていた。というのも、服を着て、まず最初に下の階に降りて、そのような依頼がなかったか受付で聞いたからだ。ホテルの規定では、宿泊客に電話で確認することなく個人情報を教えてはいけないことになっていたし、緊急の場合を除き、真夜中を過ぎてそのような電話は一切してはいけないことになっていた。

また一方で、ホテルでそのような規則を通り抜けることは難しくない。つまり、たぶん訪問者が単に誰かにチップを渡し、私の部屋番号を知って、階を上がってきたのだ。彼は少しも怪しく見えなかったので、危険人物に見えなかったのだろう。

その後2年以上、色んな方法を使って彼を探そうとしたが、うまくいかなかった。最終的に、彼の言葉を個人的に公開することを思いついた。こうすれば彼が連絡しに戻って来てくれるかもしれない、と期待したからだ。その本は10年間私のホームページで販売されたが、名乗り出ることはなかった。

そういうわけで、あの晩に一体何が起こったのか疑問が残っている。彼は実在する肉体を持った人物であったのか、想像上の人物であったのか?

10年以上たった今、あの晩のことを振り返ってみると、あれほど私の人生に大きな影響を与えたのに、この男が実在の人物であったかどうか、正直なところ確信が持てない。しかし、この点について彼が単なるわたしの想像の産物ではない、という事もはっきりと言える。そういうわけで、今この本を一般の読者に公開しているのだ。

UFO接近遭遇-未訳本の紹介

UFO関連で日本語訳のない洋書を紹介しています。 あらすじを参考に原書の確認をおすすめします。 私は本の内容を見抜く目を持っていません。 ご自身でご判断いただければ幸いです。 https://www.instagram.com/daisuke_ufo/ https://twitter.com/UFO_Tom

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