彼は、今や窓を覆っていたカーテンに背を向けて、立っていた。彼の顔は、少しほほ笑んでいた。

私は逃げ出すことを考えた。ドアは私の後ろにあった。すごく簡単に逃げることができた。

その後、彼は話し始めた。彼の声は、息もつかせないくらいに速かった。彼は私の名前を言った。私はぶっきらぼうに、怒って答えた。どうやって私のルームナンバーを知ったのか? 誰から? 返事はなく、きまり悪そうに、すこし笑うだけだった。

私は、彼に出ていくように求めた。彼は、目で訴えた。彼の表情が、とても純粋で素直で、しかもユーモアにあふれていたので、私はためらい、この侵入者を観察した。

彼は濃灰色のズボンと、ダークグレーのタートルネックを着ていた。彼の頭は白髪で縁どられ、ワシ鼻だった。皮膚はくすんで青白く、シャープな顔つきだった。彼は、年をとっているように見えた。どちらかと言えば、キラキラしていた。上手くは言えないが、彼の表情には、落着き、喜び、深い深いユーモアが入り混じっていた。実のところ、あれほどくつろいだ安らかな顔は、それ以前、そしてそれ以来、一度も見たことがないと思う。不気味な静けさもあった。死人の顔、ということもあり得た。しかし、全く恐ろしくなかった。それどころか、もし彼が死人であったなら、彼は幸せな死に方をして、人生の最期に秘密の喜びのヒントを見つけたような顔だ、と思ったことだろう。

UFO接近遭遇-未訳本の紹介

UFO関連で日本語訳のない洋書を紹介しています。 あらすじを参考に原書の確認をおすすめします。 私は本の内容を見抜く目を持っていません。 ご自身でご判断いただければ幸いです。 https://www.instagram.com/daisuke_ufo/ https://twitter.com/UFO_Tom

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